美肌のための美容成分「コラーゲン」
コラーゲンは、女性の美しさの味方となる成分として広く知られています。
その一方で、情報が多過ぎるゆえに「肌に塗って本当に効果があるの?」「飲んでも肌には届かないって聞くけど…?」という迷いの声も、たびたび聞かれます。
そんな疑問に応えるべく、コラーゲン研究のスペシャリストである薬学博士に、「コラーゲンの最新情報」をとことんうかがいました。
そもそも、コラーゲンって何?
「肌全体を家として例えると、建物を支える柱のようなもの」と答えてくれました。肌を立体的に形づくるための柱の働きをしてくれているのがコラーゲンだというわけです。弾力とハリのある若々しい肌には欠かせない成分であり、内臓や骨、筋肉も形成しているのです。
肌の真皮で、弾力やハリをつくる骨格のような働きをするコラーゲン。とても大事なコラーゲンですが、残念ながら加齢とともにその量は減っていきます。
真皮のコラーゲンが減少・劣化すると、「たるみ」や「シワ」が生まれます。
「たるみ」というと、加齢肌特有のトラブルのような印象をお持ちの方もいるかもしれませんが、弾力性の低下やシワの発現は20代のうちから少しずつ始まっています。
加齢や生活習慣によって真皮のコラーゲンやエラスチンの量が低下→肌の弾力がなくなり下がってくる(=たるみ)→その変化に肌の表面も持ちこたえきれなくなったときにシワが刻まれる……という順でエイジングサインが目立ってくるのです。
いつのまにか進行していくたるみ。肌の表面だけではなく、皮膚、筋肉、脂肪、骨と、重層的に老化が進んでいるサインでもあります。食事や運動を含めてのトータルケアが重要です。
コラーゲンの新陳代謝をアップさせる
コラーゲンが減る理由は二つあって、「新しいコラーゲンがたくさんつくられなくなること」と「せっかくつくられたコラーゲンが破壊されてしまうこと」。
この「つくる」「壊す」という相反する働きを行っているのが「線維芽細胞」です。
「せっかくつくったのに、なぜ壊すの?」と泣きたくなりますが、細胞の働きには理由があります。線維芽細胞は、劣化したコラーゲンを新しいコラーゲンに置き換える新陳代謝のために働いているのです。
しかし、年齢を重ねるにつれて、新たにつくられるコラーゲンの量が減っていくということは……そう、新陳代謝がペースダウンして、古いコラーゲンの比率が高まるということ!
古いコラーゲンがたまると、周辺の組織全体も劣化し、細胞間の物質の受け渡しや情報伝達が滞ってしまいます。
何もしなければ年々減る一方のコラーゲン。これをキープするために心がけたい習慣を七つ、これまでに出てきたことの復習をかねてまとめます。七つってちょっと多いですが、本当に大切なことばかりです!
@紫外線を浴びない
線維芽細胞は、紫外線(UV)の刺激を受けると、コラーゲン生成をストップします。コラーゲン維持のためにも、日焼け止めは一年中必須です。
A肌をこすらない
コラーゲンを分解する酵素MMP‐1は、肌を強く押したり引っ張ったりする「伸展刺激」によって産生されるといわれています。洗顔や保湿など、スキンケアで肌を触るときに最大のリスクが潜んでいます。やさしいタッチを心がけましょう。
B肌を十分に保湿
洗ったら保湿。クセにしましょう。保湿によって細胞の周辺環境を安定させると、細胞のパフォーマンスも高まるのだそう。細胞の「足場」がしっかりして、コラーゲンをはじめとする物質の生成が促進されます。
C飲むコラーゲンも活用
口から飲んだコラーゲンがそのままの形で肌に届くことはありません。ただし、体内で吸収されたコラーゲンが、線維芽細胞を剌激してコラーゲン生成を活性化する作用が期待できます。
DビタミンCをたっぷり摂取
ビタミンCはコラーゲン生成のプロセスに欠かせません。コラーゲンの材料となるたんぱく質(魚、肉、豆など)も、たっぷり摂取するよう心がけましょう。
Eお風呂で体を温める
コラーゲンの生成がもっとも活発化する温度は、少し熱めのお風呂くらいの温度だといわれています。蒸気などでやさしく肌を温めると効果的。ただしお風呂上がりには保湿の徹底を!
F抗糖化を常に意識
コラーゲンの劣化を促進させるのが肌の糖化です。血糖値を急に上げない食習慣を、いつでも意識しましょう。